Webライターの直接契約ってなに?受注・納品・請求まで仕事の流れを解説

Webライターの仕事は、クラウドワークスや、ランサーズなどのクラウドソーシングで見つけるものだと思っていませんか?

直接契約でWebライターをする場合は、クラウドソーシングのように手数料を取られることなく、比較的安定して仕事がもらえます。

でも、「直接契約って難しそう」「どうやるのだろう?」と、疑問がたくさんあると思います。直接契約の流れは、契約先が変わっても基本的には同じです。そのため、パターンを理解していれば、クラウドソーシングと比べて難しいということはありません

ここでは、Webライターが直接契約をするときの契約・受注・納品・請求まで、一連の流れを基礎から解説します。

スポンサーリンク

Webライターの仕事をとる方法は3種類

Webライターの仕事を募集している契約先は、大きく分けて次の3種類です。

  1. クラウドソーシング
  2. 編集プロダクション
  3. メディア

それぞれの用語の説明と、概要を説明します。

1.クラウドソーシングで受注する

クラウドソーシングとは、発注者(企業や個人)と受注者(Webライター)を、インターネット上で仲介するサービスです。仕事を依頼したい人と、仕事を受けたい人をマッチングさせることで、クラウドソーシング側は仲介手数料を得て運営しています。

有名なクラウドソーシングには、『ランサーズ』や『クラウドワークス』などがあり、会員登録をすることでライター募集要綱を確認できます。希望の募集があったら、提案・応募をして、発注者と合意したら仕事が受注できる仕組みです。

登録は誰でもできるので、Webライター初心者でも受注しやすいこと、受注案件が記録されるので実績を積みやすいことがメリット。デメリットは、単発案件が多いことと、報酬から手数料が引かれることです。

2.編集プロダクションと契約する

編集プロダクションは、企業から依頼を受けて、Webコンテンツを作成する業務委託会社です。編プロ、と略されることもあります。

これまでは、紙媒体の出版業務を委託する会社を編集プロダクションと呼んでいましたが、現在はWebコンテンツ専門の編集プロダクションも増えてきました。インターネットの普及によりWebライターの需要が増えているため、編集プロダクションのライター募集も盛んにおこなわれています。

編集プロダクションと契約した場合のメリットは、手数料がかからないことと、継続して案件を受注できることです。編集プロダクションが企業や個人から案件を探してきてくれるため、Webライターは指示をもらって執筆だけしていればよく、長期で安定した仕事が得られます。

デメリットは、執筆内容(ジャンル)を自分で決められないことです。このジャンルについて書きたい!と希望があっても、まったく興味のないジャンルを割り振られることもあります。

3.Webメディアと直接契約する

情報発信のための媒体をメディアと呼び、Webメディアは一般的にWebサイトを指します。大手企業・中小企業にかかわらず、ホームページ内あるいは外部サイトに情報を発信するためのWebサイトを持っており、そこでコラム記事などを公開していることが大半です。

Webメディアの運営は、多くは編集プロダクションに委託されますが、小規模なメディアではライターと直接契約を結ぶこともあります。その場合も、Webサイトを管理するWebディレクターが間に入り、ライターの執筆を監修することがほとんどです。

仲介がないため、ライターに入る報酬が比較的高く、継続して受注できる点がメリットといえます。デメリットは、Webメディアの方針変更や予算削減により、突然仕事がなくなる可能性がある点です。

直接契約と呼ばれるWebライターの仕事の応募方法

Webライターの受注方法で直接契約と呼ばれるのは、クラウドソーシングでの応募以外です。ここでは、直接契約の仕事に応募する方法について解説します。

ライターを探しているディレクターを通して応募

TwitterなどのSNS上では、WebディレクターがWebライターを探していることがあります。ハッシュタグ「#ライター募集」で検索すると、仕事を募集しているディレクターやメディアと繋がれるかもしれません。

Webディレクターと直接契約するときは、まずポートフォリオを提出し、自身の実績を提示します。ポートフォリオとは、執筆可能ジャンルや執筆歴、簡単な経歴、稼働時間、希望単価をまとめた履歴書のようなものです。

ディレクターがポートフォリオを確認し、問題がなければテストライティングや面談に移ります。このあとの流れは、あとで詳しく解説します。

ディレクターへアプローチするときは、一通目のメッセージに、ポートフォリオを添付するのがポイント。ディレクターは忙しく、メッセージのやり取りが増えることを避けたい場合が多いからです。

また、メッセージの内容は、挨拶から始まり、伝えたい要件をはっきり記載します。今後の仕事のやり取りをするうえで、メッセージは必須のため、応募の段階から審査が始まっていると考えましょう。

下記のように、要件を明確にし、最低限のビジネスマナーを持ったメッセージを作ります。もちろん、募集要項に合わせて自分の思いがしっかり伝わるように、これ以上に内容を盛り込むことも必要です。

〇〇様、はじめまして。フリーランスでライターをしている〇〇と申します。
ライターを募集しているとのツイートを拝見し、ご連絡いたしました。

私は〇〇というジャンルが得意で、ぜひご一緒にお仕事したいと考えております。
下記に、ポートフォリオを添付いたします。

~ポートフォリオのURL~

お忙しいところ恐縮ですが、ぜひご確認いただければと思います。
何卒よろしくお願い申し上げます。

編集プロダクションのライター募集から応募

編集プロダクションと直接契約を結びたい場合は、編集プロダクションの自社サイトから応募します。多くの場合で、「ライター募集」や「求人」といったページが用意されています。

編集プロダクションのライター募集ページの特徴は、報酬について記載がないことです。ほとんどの場合で非公開で、応募後のテストライティングで報酬が決まります。そのため、実際に応募しないと報酬がわからないことがほとんどですが、一般的には1円以上と考えてよいでしょう。

各編集プロダクションによって、応募要項は異なりますが、氏名・住所・電話番号・メールアドレスと簡単な自己紹介を記載して応募が完了します。そのあと、担当者からメールが送られてきて、具体的な選考に移る流れです。

Webメディアに直接応募

このサイトで書きたい!と強い思いがある場合は、Webメディアに直接営業をすることも可能です。メディアがライター募集をかけていなくても、ポートフォリオを持って売り込み営業をかけてもよいでしょう。

ライター募集ページがある場合は、編集プロダクションのときと同じ流れです。営業をかけるときは、メディアに記載されているメールや電話で問い合わせをします。そのときに伝えることは、下記のとおりです。

  • ライターを募集しているか
  • 貴メディアでどうしても書きたい思い

電話の場合は担当者がいないこともあるので、ぜひ担当者と話したいことを伝えましょう。Webメディアへの直接交渉はハードルが高いですが、書きたいジャンルやメディアがある場合は、挑戦してみて損はありません。

スポンサーリンク

直接契約Webライターの仕事の流れ

ここからは、直接契約の仕事に応募したあとの流れについてみていきましょう。

応募先によって詳細は変わりますが、おおまかな流れは同じです。応募後は、面談やテストライティングを経て契約、執筆して納品、修正後に請求、入金と続きます。

【選考】面談やテストライティング

編集プロダクションやWebメディアに応募すると、まずオンライン面談やテストライティングの案内が来ます。

Webライターのオンライン面談とは、就職するときの面接のようなカッチリとしたものではなく、実績や希望単価、稼働時間、受注件数について、双方の条件を確かめるためにおこなわれるものです。スーツの着用は不要で、派手でないカジュアルな服装なら私服でかまいません。

オンライン面談は、ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議ツールを使っておこないます。当日は、相手方が用意してくれたURLから入室するので、ライター側の準備は必要ありません。

テストライティングとは、本契約の前にライターの執筆レベルを、確認するためにおこなわれる試験のようなものです。執筆力が一定レベルにない場合は、テストライティングで不合格となります。どれくらいのレベルが必要かは、応募先によって異なるため、基準はありません。

テストライティングに合格するポイントは、執筆内容だけでなく提出日です。テストライティングの詳細をもらったら、できるだけ早くテスト記事を提出しましょう。

例えば、期日が1週間後だとしても、絶対に締切日に提出してはいけません。最低でも3日前、できれば受けてから3日以内に提出することをおすすめします。

なぜなら、テストライティングは、提出まですべてがテストだからです。応募のメッセージ内容、レスポンスの速さ、執筆内容、締切の厳守を見られていることを自覚しましょう。

もしあなたが発注側なら、テスト記事の納期がギリギリな人に依頼したいと思いますか?

テスト記事の提出が遅い人は、本契約後に「納期遅れをする可能性が高い」と思われても仕方ありません。あるいは、執筆速度が遅く、案件数をこなしてもらえないかもと思われてしまうでしょう。

【契約】契約書を郵送またはPDFで提出

オンライン面談やテストライティングをクリアしたら、いよいよ契約です。

基本的には、クライアントが作成した契約書に署名をして契約は完了です。個人のディレクターと契約するときは、契約書がない場合があります。報酬が振り込まれないなどのトラブルを避けるため、できるだけ契約書を交わすようにしましょう。契約書を用意してもらえない場合は、ライター側から提案することも可能です。

契約書の提出は、郵送で送られてきたものに署名捺印をするか、WordやExcelファイルをダウンロードして署名捺印し、PDFでメールに添付する方法があります。クライアントの指示に従って、契約を終結させましょう。

【依頼】執筆内容・文字数・レギュレーションの確認

契約したら、実際の執筆内容や文字数について詳細が伝えられます。多くの場合でレギュレーションやマニュアルが用意されているので、しっかりと読み込みましょう。レギュレーションとは、執筆するうえでの規則や禁止事項などのルールが書かれたマニュアルです。

レギュレーションはクライアントごと、案件ごとに異なるため、執筆後の大幅修正を避けるためにも確認が必要です。

【受注】執筆開始

もらったレギュレーションやマニュアル、案件の詳細に沿って執筆します。執筆は、WordやGoogleドキュメントなど指定されたテキストエディタを使用します。

なかには、WordPress(Webサイト作成ツール)への直接入稿を依頼されることもありますので、使い方を確認しておきましょう。

【納品】納品期日までに執筆して納品連絡

執筆が完了したら、納品の連絡をします。編集プロダクションの場合は、ライター用のGoogleスプレッドシートに納品日を入力したり、ファイルの共有が必要なこともあります。

メッセージにて、納品するタイトル(あるいはキーワード)と、記事の共有リンクを記載しましょう。Wordの場合は、ファイルを添付します。

あらかじめ決められた納品期日までに納品することが絶対条件で、できれば数日前には納品するのが理想です。突発的な事故で納期が遅れる場合は、クライアントに報告し、納期の相談をしましょう。

【検収・修正】当日~2か月程度かかる

納品した記事は、ディレクターや校正者により検収されます。修正が必要なときは、Webライターに差し戻されるので、指示のとおりに修正しましょう。

クライアントの形態によりますが、検収には長いと2か月程度かかることもあります。これは、編集プロダクション内での検収後に、依頼元の企業によるチェックが入るためです。ただ、多くの場合は当月内にチェックが終わり、修正がなければ納品完了となります。

【請求】クライアントの締め日までに請求書を作成

納品が完了した記事は、Webライター側で請求書を作って報酬を請求します。クライアントによって締め日が設定されていますが、月末締めのところが多い印象です。

期日までに、納品した記事数分の請求書を作成して提出しましょう。請求書は、請求書作成ソフトやExcelなどを利用します。クライアントの指定の様式がある場合もあるので、作成前に確認するとよいでしょう。

納品内容以外で、請求書に記載する項目は下記のとおりです。

  • 請求日
  • クライアント名
  • ライター氏名・住所・電話番号
  • 振込口座
  • 振込期日

【入金】指定の期日までに請求した額が振り込まれる

請求書を提出すると、クライアントの指定日に報酬が支払われます。振込日もクライアントによりさまざまですが、月末振込の場合が多い印象です。

当日でなくてかまわないので、請求書に記載した振込口座に、請求額が入金されているかをきちんと確認しましょう。

Webライターの直接契約は継続案件を確保できる

Webライターが直接契約する方法は、主に下記の3つ。

Webディレクター経由編集プロダクションWebメディアと直接
応募方法SNS自社サイト内の求人ページ自社サイト内、持ち込み
継続性ディレクター次第長期で安定しやすいメディアの方針次第
執筆ジャンル選びやすい選べない選べる

Webディレクター経由の応募は、仕事の数が安定しないことが多く、契約にも不安がありますが、応募しやすいというメリットもあります。

編集プロダクションは、一度契約が決まると安定して案件がもらえますが、執筆内容は選べません。

Webメディアと直接契約するときは、応募に営業力が問われることもあり初心者では応募しづらい面があります。しかし、書きたいジャンルが決まっているときは、おすすめの方法です。

この記事を書いた人

もさこ
気分変調症+うつ病を発症しながら、フリーランスのライターとして活動。臨床検査技師資格やAFP/2級FP技能士の資格を活かした医療・金融記事が得意。
スポンサーリンク