Webライターを始めたいなら、「まずはクラウドソーシングで仕事を探すのがおすすめ」と言われます。
しかし、クラウドソーシングのメリットだけでなく、デメリットを理解していないと、トラブルになる可能性があります。例えば、文字単価0.1円や1記事200円などの低単価な案件は、一見初心者でも受けやすいように思えますが、実際には搾取案件と呼ばれる悪質なクライアントの可能性も。
ここでは、クラウドソーシングのメリットと、注意したいポイントについて解説します。
クラウドソーシングとは発注者とWebライターをつなぐ仲介サイト
クラウドソーシングとは、業務委託をしたい発注者と、仕事を受けたい受注者を仲介するインターネット上のサービスです。ライティングやWebデザイン、イラスト、データ入力など、さまざまな企業が業務委託の募集をしています。
ここでは、クラウドソーシングの基本的な仕組みと、Webライターとして受注できる仕事いついて解説します。
クラウドソーシングの仕組み
クラウドソーシングでは、発注者(業務の依頼者)が、業務委託したい案件を受けてくれる受注者(Webライター)を募集します。基本的には、案件ごとの募集となり、受注者は募集要項を見て、案件に応募して発注者が選考をおこなう流れです。大手クラウドソーシング・ランサーズでは、応募することを「提案」と呼んでいます。
選考は、受注者のプロフィールやポートフォリオなどの実績、あるいはテストライティングと呼ばれるテスト記事の執筆でおこなわれます。選考基準は、発注者によって異なり、非公開です。
選考を通過して受注が決まって、発注者が報酬の仮払いが済んでから、受注者は執筆に入ります。仮払いは、報酬が支払われないリスクを避けるための仕組みです。
執筆した記事は、クラウドソーシングのサイト上に納品し、発注者が検収をおこなってOKが出れば報酬が支払われます。クラウドソーシングの報酬は、基本的には月に1回まとめて指定の口座に振り込まれます。
クラウドソーシングで募集している仕事内容
クラウドソーシングでは、Webライターの仕事も多く募集がでています。「ライティング」や「記事作成」、「記事コンテンツ作成」などのカテゴリで検索が可能です。
具体的な例として、「【文字単価1円以上】〇〇に関する記事作成」「【1記事2000円】〇〇ジャンルのライティング」などのタイトルに続いて、詳細な募集要項が記載されています。
単価・文字数・納期・ジャンルなどのほかに、応募時のメッセージに必要な記載項目も書かれていることがあります。きちんと細部まで読んで、応募することが大切です。
Webライターとして、クラウドソーシングに応募するときは、テキスト納品なのか、WordPressへの入稿納品なのかをチェックします。テキスト納品の場合は、WordやGoogleドキュメントなどで作成したテキストのみの納品です。
一方、WordPressの入稿納品は、Webサイト作成サービスであるWordPressを使わなくてはいけません。WordPressの使用には少し慣れが必要なため、使用経験がない場合は採用されにくい可能性があります。
Webライターがクラウドソーシングを使うメリット
「Webライター初心者はまずクラウドソーシング」と言われるのには、理由があります。ここでは、Webライターがクラウドソーシングを使用するメリットを詳しく解説します。
業務の流れがわかりやすい
Webライターが仕事を受注する方法は、クラウドソーシング以外では直接契約があります。直接契約とは、メディアやディレクターと直接契約して、記事作成をおこなうことです。
直接契約の流れについて詳しくは、こちらの記事もご参照ください。
Webライターの仕事は、クラウドワークスや、ランサーズなどのクラウドソーシングで見つけるものだと思っていませんか?直接契約でWebライターをする場合は、クラウドソーシングのように手数料を取られることなく、比較的安定して仕事がもらえま[…]
クラウドソーシングでは、応募から報酬振込まで、すべてクラウドソーシング側のシステムでおこなわれます。そのため、Webライターとしての受注経験が少なくても、手順どおりに進めればよく、業務をスムーズに進められます。
書類作成の手間がない
直接契約は、業務委託契約書を交わしたり、ライター自身で請求書を作成したり、手間がかかることがデメリットです。クラウドソーシングでは、ボタン1つで契約が完了し、報酬請求でも請求書を作る必要はありません。
ライター初心者の場合は書類の種類や作り方がわからず、手間取ってしまいがちですが、クラウドソーシングで仕事を受注するときはその心配は不要です。
振込トラブルがあってもサイトが仲介してくれる
直接契約をしたときの不安要素に、報酬の振込トラブルがあります。直接契約の場合、期日までに報酬が振り込まれないなどのトラブルは、ライター本人で解決しなくてはいけません。
もちろん、クラウドソーシングを利用していても、報酬が振り込まれないトラブルは発生します。しかし、クラウドソーシング内でのトラブルについては、運営側が仲介してくれます。報酬が支払われないときは、発注側に支払いの催促をしてくれるのがメリットです。
Webライターが知っておきたいクラウドソーシングのデメリット
Webライターにとって、クラウドソーシングは非常に便利なツールです。一方で、デメリットがあることも事実。
ここでは、Webライターがクラウドソーシングを、利用するときに知っておきたいデメリットについて解説します。
報酬から手数料が引かれる
クラウドソーシングは、発注者と受注者を仲介するサービスです。そのため、サイトを介して仕事を請け負った場合は、報酬から仲介手数料が引かれます。
大手クラウドソーシングの手数料は、下記のとおりです。(2021年2月調べ)
クラウドワークス | ランサーズ | Bizseek | |
10万円以下 | 20% | 20% | 10% |
10万円~20万円 | 10% | 10% | 5% |
20万円超 | 5% | 5% | 5% |
合計報酬の金額によって、手数料が変わります。
Webライターを始めたばかりでは、1カ月の報酬が10万円以下であることは珍しくありません。その場合、クラウドワークスでは手数料が20%もかかります。
例えば、報酬合計が5万円だったとき、手数料20%を引いた4万円が報酬として振り込まれます。1万円も手数料としてとられることを、理解しておきましょう。
継続されるとは限らない
クラウドソーシングで募集されるのは、一般的に単発案件です。継続して仕事がもらえる場合は、1件の依頼が終わったら、次の案件の依頼がきます。
そのため、直接契約のような1年契約などの期限付きの契約ではなく、次の契約が続く保証はありません。
Webライターがクラウドソーシングで仕事を探すときの注意点
クラウドソーシングで募集しているからといって、すべてのクライアント(発注者)を信頼できるとは限りません。なかには、非常に悪質なクライアントもおり、注意が必要です。
ここでは、初心者Webライターが、特に注意したい案件について説明します。
単価が極端に低い案件は搾取の可能性も
クラウドソーシングでは、文字単価0.1円や記事10円などの低単価案件も見られます。低単価案件は、「初心者だから安くても仕方ない」と考える初心者Webライターが応募しがちです。あるいは、「仕事がないから安くても引き受ける」という場合もあるかもしれません。
報酬が極端に低い案件は、ライターの労力を無視し、成果を安価で搾取する悪質なクライアントである可能性があります。一部では、低単価案件を搾取案件と呼び、問題視されています。クラウドソーシング側でも、これを改善しようとクライアントの認定制度を導入していますが、低単価案件は減っていないのが現状です。
クラウドソーシングでライターの仕事を探すときは、極端に単価の低い案件は避けることをおすすめします。
「ライティングを学びながら報酬GET」の文言はリスクが高い
単価以外に、募集要項にも注意しましょう。「学びながら稼げる」などの言葉が書かれた案件は、Webライターを集めるための常套句です。初心者ライターに、テストライティングを無料・安価で書かせて、本契約を結ばない発注者も存在します。
テストライティングで提出した記事は、発注者側のものになり、ライター側には報酬も実績も残りません。もし被害にあったら、必ずクラウドソーシング運営者に報告しましょう。
クラウドソーシングで仕事を受注するポイント
Webライターが増えた影響か、1つの案件に応募者が殺到する事態が起きています。在宅ワークや副業解禁により、今後もますます競争が激しくなることが予想されます。
仕事を受注するときは、他者と差別化することが重要です。ここでは、クラウドソーシングで他のWebライターと差をつけるポイントを解説します。
プロフィールを充実させる
クラウドソーシングのプロフィールを見て、発注者側から依頼の問い合わせがくることもあります。まさかと思いますが、プロフィールに名前だけしか書いていない、なんてことはありませんよね?
プロフィールに書きたい項目は、次のとおりです。
経歴:ライターになる前の簡単な経歴(企業名や学校名は伏せてOK)
資格:保有している資格があれば記載
スキル:ライティング以外にできることがあれば記載(WordPress入稿可能など)
執筆経験ジャンル:これまでに執筆したことのあるジャンルを紹介
実績:公開できる記事URLや記名記事のURL
報酬や納期など:稼働時間や納期の目安について。報酬については書かなくてもOK。
プロフィールは、発注者が知りたい内容を網羅する必要があります。上記は、発注者が気になるポイントであり、プロフィールに盛り込みたい項目です。
提案文・応募文は応募先によって変える
クラウドソーシングでは、提案文・応募文を送るときのテンプレートが用意されています。テンプレートを使用するのは問題ありませんが、そっくりそのまま使ってはいけません。
提案文・応募文の内容は、応募先によって書き換えましょう。「どうして応募したのか」「どうして自分のスキルを活かせると思ったのか」が伝わる文章を作ります。
クラウドソーシングは登録無料!どんなWebライターの仕事があるかを確認してみよう
クラウドソーシングには、手数料がかかるというデメリットはあります。
しかし、仕事の流れに慣れていないWebライター初心者にとっては、非常に使いやすいツールです。直接契約が手間だと感じるときは、積極的に利用していきましょう。
クラウドソーシングを利用するときは、文字単価1円以上の案件がおすすめです。1円以下の案件は、悪質な発注者だったり修正などのフィードバックがなかったりするため、避けたほうがよいでしょう。
応募の競争率が高く、なかなか仕事がとれないときは、プロフィールと提案文・応募文の作り込みが重要です。他のWebライターと差別化を図って、受注率を上げましょう。